機能不全家族になる前にこれだけは押えておきたい10のこと
親子関係がうまくいかない人、強い絆で結ばれた家族を目指したい人必見です。
ここにあげた10の項目を実践するだけで家族関係はスムーズになるはずです!
皆さん、家族ってむずかしい!
そう思うことってありませんか?
8割が機能不全家族などといわれれば、健全な家族を探すほうが困難ですよね。
理想の家族像に囚われることなく、よい関係を維持するにはどうするには何
をすればよいかをカウンセラーの立場からリストしました。
もくじ
1.尊重する
2.量より質を大切にする
3.笑っている姿を見せる
4.本音でぶつかる
5.信じる
6.一緒の時間を楽しむ
7.自分のことを話す
8.共通の話題をさがす
9.相手のせいにしない
10.自分の人生を楽しむ
11.まとめ
尊重する
尊重するとはどういうことでしょうか。辞書で調べると、尊いものとして重んずること、とあります。
尊いものとは、身分や価値が高いもの、と出てきます。
ということは、「価値が高いものとして重んずること」ということですね。
一般的に価値が高いものを乱雑には扱いませんので、相手を大切な人間としてもてなす、ということになります。
では、家庭内に目を向けてみましょう。
下のグラフによると児童相談所における児童虐待相談対応件数は24年間で約80倍に増加しているそうです。
この状況は果たして子どもを尊重していると言えるでしょうか。
昔はしつけのために叩いたり、体罰を加えることもありました。
しかし、それが乳児、幼児、未成年だからといってゆるされるものではありません。
子どもは尊重されなくていいということではないですね。
むしろ、より尊重されなければいけない存在だとも思います。
子どもの目線に立って理解して、愛情と忍耐で対応することはとても重要です。
逆に、親を尊重する場合はどうでしょう。
親も一人の人間です。未熟な面もあれば未完成なところもあって当然です。
あなたの親へ完璧を望むことはやめましょう。
親から与えられることを期待しすぎず、しっかりと自立することに重点をおきましょう。
量より質を大切にする
親子関係を維持するなかでコミュニケーションが大切なのは皆分かっていることですが、ただ一緒にいればよいというわではありません。
家族一緒にリビングで何も話さずテレビを見ているというのでは、どれだけ長い時間一緒にいても何も得られません。
関係の質に目を向けている人は少なく、一緒にいることや話をすることだけが目的になってしまっていることが数多くあります。
よくないパターンは、えんえんと何をやったか、学校の成績はどうだったか、〇〇はだめだ、などと子どもへ一方的に話を訊くことです。
これでは相手は取り調べを受けているように感じてしまいます。
また、会うたびに同じことを繰り返し話していることもよくありますが、同じことを聞かれる、聞かされる、ではその関係にあきてしまいます。
たとえ、5分しか話せなくても相手と心が通じ合えばそのコミュニケーションは成功したといえるでしょう。
心をつかむためには相手がどのようなことに興味を持っているのか、なぜ今その話をしているのかなどを考えてみることです。
ファッションの世界では服はTPPOを考えてコーディネートしなければいけないとのことです。
T=Time(時間) P=Place(場所) P=Person(人) O=Occasion(場合)
会話でもまったく同じことが当てはまります。
TPPOをわきまえて、相手の話をよく聞いて、表情や雰囲気をよく観察してみてください。
そうすることで見当違いな会話は少なるでしょう。
笑っている姿を見せる
笑いは健康の秘訣であり、円滑な関係を築くうえでも非常に大切な要素です。
でも、
仕事をしているとき笑っていると怒られませんか?
学校でも笑っていたら注意されませんか?
私たちは日ごろ、笑うことは不真面目だ、緊張感がない、真剣ではない、などと思われることを避けるために口をへの字にすることを無意識にトレーニングしています。
そのために心も笑うことは悪いことだと学習してしまうのです。
笑うことは決してヘラヘラとすることではなく、ものごとを楽しんでいるときの笑いです。
本当に好きなことをやっているときの表情は実は真剣だったりします。
しかし、心の中では笑っているのです。
そのなかでポッと出てくる笑みはとても素敵で魅力的に映るはずです。
また、相手と一緒にいてうれしいな、楽しいなと感じていれば自然に笑みはこぼれますね。
対象的にいつも眉間しわを寄せてピリピリした感じで寄ってこられたらどんな気分になるかは想像できます。
いつも機嫌が悪そうな親または子どもを見ていたいですか?
答えはNOのはずです。
やはり人はいつも微笑んでいるような人と一緒にいたいと思うものなのです。
脳は嘘笑いでも、本当に楽しくて笑っているのか、嘘なのかの区別がつけられません。
そのため無理にでも笑っていると本当に楽しい気持ちになってくるのです。
笑うのが苦手なあなた!
それでは今すぐ笑ってみましょう。
本音でぶつかる
本田技研工業株式会社の創始者、本田宗一郎氏はこのような言葉を残しています。
「私は怒っても、その人間を憎むことはしない。偽りのない気持ちを相手にぶつけることが大切。」
信用される人間、魅力的に映る人間の多くは裏表のない性格の人が多いです。
家族の中ではどうでしょうか。
本音で語ることで問題は解決できるでしょうか。
問題解決をむずかしくしている部分がこの本音というところ。
何でもかんでも、何も考えず、感情のおもむくまま話すことはよい本音ではありません。
本音で話すときに必要なものは理性です。
理性をもって今のあなたの気持ちを相手に伝えましょう。
傷つくことを言われたからといって、相手を傷つけるような言葉で返してはいけません。
例えば、傷つくことを言われたのなら、今の言葉ですごく嫌な気持ちになったこと、そのことであなたを信頼できない気持ちになっていることなどをしっかりと伝えるのです。
あなたの胸のうちをオープンにしていく努力をしていきましょう。
信じる
人を信じるということは思っている以上に難しいことです。
なぜなら、信じていた人に裏切られた場合の心のダメージや実際に受ける被害などを極力避けたいと思う気持ちは、医療保険と同じようなものであり、それは人の正直な心の部分でもあるのです。
ただ、人間の赤ちゃんは親を完全に信じる状態から人生がはじまります。
親は食事をくれる。
一緒にいてくれる。
危険から守ってくれる。
親の存在は自分にとって必要なことだ。
そのような状態から少しずつ自我が形成されていき、自立していきます。
子どもに反抗期や親離れの時期があるのはそのためです。
親からみると子どもは頼られていた存在から徐々に必要のない存在となっていくため、心寂しく感じていくものです。
そのため、ときには子どもを支配し続けたい衝動に駆られたり、心にぽっかりと穴が開いた感覚となり、なかなか立ち直れなかったりします。
そうならないためにも成長に合わせて距離感も変えていき、心の変化にも上手に対応していかなければいけません。
子どもを信じるとは、子どもを締めすぎず、緩めすぎずの距離感で『見守る』ことです。
公園で自由に遊ばせてあげながら目は離さないような感じです。
そのような行動や想いは相手に伝わるものです。
信じてもらうことができた人は、人を信じることができるようになります。
つい口や手が出してしまう、そのようなときには子どもの力をもう一度信じてみましょう。
一緒の時間を楽しむ
家族で食事をしているとき、旅行しているとき、遊んでいるとき、テレビを見ているときにあなたは楽しいと感じていますか?
家族は楽しそうにしていますか?
楽しくないと感じているのなら、楽しくするための行動を起こす必要があります。
楽しいの「楽」は「らく」とも読みますね。
たのしい=らく。
家族と一緒にいていつも楽しいというのは難しいかもしれません。
しかし、一緒にいて楽な状態・存在になることは、お互いのちょっとした努力や気づかい、思いやりでできます。
食事のときに否定ばかりしていませんか?
旅行のときに喧嘩ばかりしていませんか?
遊んでいるときに注意ばかりしていませんか?
テレビを見ているとき無関心になっていませんか?
日ごろのパターンに気づいて、この場面のときにはこれに注意しようと思うだけでも家族のなかに変化が起こります。
会話が生まれます。
その会話から笑みがこぼれます。
話が膨らみ広がっていきます。
関係が良くなっていきます。
劇的な変化を望まず、少しずつ時間をかけていきましょう。
楽しい空間というのはあなたと相手の間にできるものです。
一緒にいる時間を無駄に過ごすことなく、楽しい空間、時間にすることを意識していきましょう。
自分のことを話す
一緒にいるときに何を話せばよいか分からないときは意外と多いですね。
ついよけいなことを口走ってしまって相手を不機嫌にさせてしまった、ということにならないために正しくあなた自身のことを話すように心がけましょう。
気をつける点は自慢話にならないようにすること。話をして気持ちよくなるのは実は話し手であって、聞き手はよほどの関心があるか、尊敬する人物でない限り聞き続けることは難しいのです。
また、出来事だけを話すのではなく、そのときにあなたはどう感じたのか、何を思ったのかなど、感情面や気持ちを出していきましょう。
決して相手に自分の考えを押しつけるようなことをしてはいけません。
はじめのうちはメモを取ることから始めてもよいでしょう。
「今日〇〇なことがあって、〇〇に感じた。」
などと気持ちを含めて書きとめておくのです。
そのことを相手に伝えたのちにどう感じたかを聞いてみるようにします。
優しく投げて、優しく受け取り、優しく返すことが大切です。
できるだけたくさん気持ちのキャッチボールができるように意識してみましょう。
これは「Iメッセージ」といって、主語を「あなた」から「私」に変えて相手に伝える方法です。
「あなた、それじゃ駄目だよ。」⇒YOUメッセージ
「私はそのやり方じゃないほうがいいよ思うよ。」⇒Iメッセージ
伝え方を変えるだけで相手への印象や感じ方は大きく変わるものです。
お互いが発言に責任を持つことで批判的な表現を抑えることができるようになります。
ちょっと高等テクニックになりますが、最終的に笑い話にすることができれば気持ちのよい会話で終わることができるでしょう。
共通の話題をさがす
共通の話題がある家族は団結力が強い傾向にあります。
好きなものによってつながっていることで会話自体が否定的になりにくくなるからでしょう。
スポーツ、映画、音楽、旅行、書籍、、なんでもよいと思います。
ひとつの話題を通してお互いの考えや気持ちを分かり合えることで尊重する姿勢が身につけば家族のコミュニケーションも自然体で行えるようになります。
ただここでも気をつけなければいけないのは、親の興味や趣味に子どもを無理やり引き込んだり、付き合わせたりすることは逆効果となる可能性もあるので注意しなければいけません。
子どもの立場からすると、ただ単に親に支配されているだけ、強要されているだけとなってしまいかねないからです。
あくまで、子どもが興味を持って自主的に行動するものを対象としていきましょう。
それに親も興味を持って寄り添っていくほうが自然です。
永遠の若大将、加山雄三さんは2017年4月で80歳になりました。それにもかかわらずオンラインゲームに夢中だったり、スマートフォンのアプリを使いこなしたりするなど、積極的に最先端の情報を収集していることから若い人とも話があうそうです(むしろ同年代の人たちとは話が合わないとも言っていました)。
本当に永遠の若大将なのです。
何か一つのテーマで盛り上がる、あの感覚を忘れないようにしたいものです。
相手のせいにしない
相手のせいにすることは家族関係を維持するためには何の役にも立ちません。
100%相手が悪いと思われる状況であっても、それはあなたの価値観からみてのことなのです。
私たちは物事を多面的にとらえようと思っていても、実際の場面になるとこれまでの経験や知識などから得た価値観をものさしとして判断してしまいます。
その経験や知識はどこから得ているのか?
それは、大半は親からです。
生まれて最初の数年間の情報源は親のみです。
「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、脳の神経細胞の発達は生後3歳くらいまでの期間に急速に発達して、8歳くらいで脳内神経細胞のおよそ80パーセントが完成されます。
この期間に急激な成長をする脳内では、脳神経に強く受けた刺激の配線を残しています。
これが「性格形成の原点」といわれています。
日本では時間どおりに来ることが当たり前の電車でも、他国では遅れるのが当たり前となっていることがありますね。
それは、日本では時間を守ることが何より大切だ、ということをしつけされるからです。
家庭内でも家族のルールというのがありますが、家族といえども一人ひとりの性格や性分は違います。
頭ごなしに否定されれば、たとえ自分が悪いと思っていても、素直にはなれないものです。
すぐに相手のせいにするのではなく、お互いの価値観をしっかりと理解しあったうえで物事を進めていくことが大切です。
昨今、グローバル、ダイバーシティ、マイノリティ、LGPTなどの言葉をよく耳にすることからも、社会では多様性を認める方向で大きく変化しています。
家族をひとつの地球に見立てて関係を見直してみてもよいでしょう。
自分の人生を楽しむ
あなたが自分の人生は充実している!素晴らしい!と本気で感じてるのなら、それは相手にも伝わっているでしょう。
あなたが自分の人生は最悪だ。。ついていない。。なんで私が。。と思うようなことが多いなら、それも相手に伝わっているでしょう。
人は思っている以上に敏感に本音を感じ取るものです。
とくに子どもの感受性は強く、多くの時間は親に向けられていることから、親のため息ひとつで大きく心が揺らいだりします。
ましてや「あなたのためにこれだけ苦労しているのよ。」というメッセージが込められたため息なら子どもはますます家庭内で委縮してしまうでしょう。
自分の人生を楽しむということは、すべての苦労や嫌なことを投げ捨てる、無視する、ということでありません。
現状に甘んじるということでもありません。
今ある苦労や苦しみを含めて人生丸ごと受け容れた状態のなか、最大限の楽しみを見つけるということです。
スポーツ選手やタレント、役者などで2世が多いのはやはり親が苦労と努力をしながらもイキイキとしている姿を見て育つからでしょう。
漫才師でタレントの島田洋七さんが書いた「佐賀のがばいばあちゃん」をご存知でしょうか。
少年時代に佐賀にいる祖母と暮らしたときのエピソードが書かれた本でベストセラーにもなりました。
そのおばあちゃんは超貧乏で苦労人だったようですが、そのような現実を持ち前の明るさとユーモアで吹き飛ばしながら生活していました。
「どうして前向きなの?」との質問に、「後ろ向きだと歩きづらい。」と答えるなど名言も数多く残しています。
人は繋がりで生きています。
繋がっているのですから、お互いに影響・作用しあいます。
あなたが輝けばそれは周りにもきっと伝染していくでしょう。
まとめ
家族だから無条件に分かり合える。
子どもは親のことを敬ってくれるはず。
などの、風潮や一般常識などに甘えてしまっていては家族の関係性はいつか崩壊してしまうということを理解しましょう。
この記事があなたの家族関係を見直してみるきっかけとなればと思います。
まずできることから始めれば必ず良い変化が現れるはずです。
機能不全家族の手前でも、機能不全家族となってしまっても、改善のための行動を起こすタイミングに遅いということはありません。
思い立ったが吉日です。
ぜひ家族のなかに笑顔を取り戻してください!
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